ITパスポートの基礎理論で問われる確率・統計の基本。代表値(平均・中央値・最頻値)、ばらつき(分散・標準偏差)、正規分布、確率の計算、そして「相関と因果は別物」という考え方を、身近な例でやさしく整理します。計算問題も出るので、考え方ごと身につけましょう。
うっ、数学かぁ…あたし数字見ると逃げたくなるんだよね。
ふふ、大丈夫よ。
ここで出るのは難しい計算じゃなくて『データをどう読むか』の考え方なの。
まずは身近な話から始めましょう。
クラスのテストで『真ん中はどのくらい?』を表す値を代表値っていうの。
代表値には3つあるわ。
平均値、中央値、最頻値の3つですね。
補足すると、平均は計算で求め、中央値は並べ替え、最頻値は数える、と求め方が違います。
3つもあると、どれを使えばいいか迷っちゃいますぅ…。
いい疑問ね。
使い分けの鍵になるのが『外れ値』よ。
外れ値、つまり1つだけポツンと離れた値のことね。
たとえばクラスの年収を調べたら、1人だけ親が年収1億円だったとするでしょう?
マジか、それズルくない?
平均が一気に吊り上がるじゃん!
そのとおりです。
平均はその1億円に引っ張られて跳ね上がりますが、中央値は『並べた真ん中』なので、ほとんど動きません。
あー、なるほど。
だから中央値は外れ値に強いって言うんだね。
覚えた!
そういうこと。
『極端な値があるときは中央値を見る』と覚えておくと実務でも役立つわよ。
次は『散らばり具合』です。
同じ平均60点でも、全員60点前後のクラスと、0点と100点が混ざるクラスでは中身が全然違います。
これを測るのが分散と標準偏差です。
分散と標準偏差…似てて、こんがらがりますぅ。
関係はシンプルよ。
標準偏差を2乗すると分散、分散の平方根が標準偏差。
つまり『標準偏差 = √分散』ね。
点数の単位(点)でばらつきを語りたいときは標準偏差を使うの。
ルートかぁ。
要するに、数字が大きいほどバラバラってことでしょ?
はい、その理解で十分です。
標準偏差が0なら全員同じ値、大きいほどばらついている、という向きだけ押さえればOKです。
向きだけでいいなら、わたしにも分かりそうですぅ。
ばらつきの話で必ず出るのが正規分布よ。
身長や測定誤差みたいな自然なデータはこの形になりやすいの。
正規分布では、平均±標準偏差1個分の範囲に約68%、平均±2個分に約95%のデータが収まるわ。
68%、95%…数字がはっきりしてると覚えやすいですぅ!
補足すると、テストでおなじみの『偏差値』もこの正規分布が前提です。
平均を偏差値50、標準偏差1個分を10と決めているので、偏差値60は『平均より標準偏差1個分上』という意味になります。
えっ、偏差値ってそういう仕組みだったんだ。
ただの点数じゃなかったんだね。
ふふ、ここまでが『データを読む』統計の話。
後半は『これから起きること』を測る確率に進みましょう。
まず独立事象。
サイコロを2回振るとき、1回目と2回目は無関係よね。
両方とも6が出る確率は?
6が出るのが1/6だから…うーん、足すの?
ここは掛け算です。
独立な事象が『同時に(かつ)』起きる確率は、それぞれを掛けます。
1/6 × 1/6 = 1/36 ですね。
じゃあ足し算はいつ使うんですかぁ?
いい質問ね。
『1回振って1か2が出る』みたいに、同時に起きない排反事象を『または』でつなぐときは足し算。
1/6 + 1/6 = 2/6 = 1/3 よ。
なるほど。
『かつ』は掛け算、『または』は足し算…これ語呂で覚えとこ。
もう1つ実務でよく使うのが期待値です。
たとえば当たり1000円の確率が0.1、外れ0円が0.9のくじなら、期待値は1000×0.1 + 0×0.9 = 100円。
1回あたり平均100円もらえる、という見積もりになります。
最後に、混同されやすい2つの言葉を整理しておくわね。
相関と因果よ。
相関と因果ですね。
補足すると、相関があっても、因果があるとは限りません。
ちがいがピンとこないですぅ…例えるとどうなりますかぁ?
あ、それ聞いたことある!
『アイスが売れると水難事故が増える』みたいなやつでしょ?
でもアイスのせいで溺れるわけないじゃん。
ふふ、まさにそれよ。
本当の原因は『暑さ』。
気温が上がるとアイスも売れるし、泳ぐ人も増える。
だから両者は一緒に動くけど、片方がもう片方の原因ではないの。
これを見抜くのが大事ね。
今日の要点をまとめるわよ。
代表値は外れ値で平均と中央値の差を意識する。
ばらつきは標準偏差=√分散。
正規分布は68%と95%。
確率は『かつは掛け算、またはは足し算』。
そして相関≠因果。
この5つを押さえれば基礎は十分よ。
確認クイズ
ある集団のテスト点数の散らばり具合(ばらつき)を表す統計量として最も適切なものはどれか。
- 平均値
- 中央値
- 標準偏差
- 最頻値
こたえを見る
正解: 3. 標準偏差
正解は標準偏差です。標準偏差は分散の平方根で、データが平均からどれだけばらついているかを元の単位で表します。平均値・中央値・最頻値はいずれも代表値で、データの中心がどこにあるかを示す値であり、散らばり具合は表しません。