IaaS・PaaS・SaaSの違いと、クラウドの基本特性をやさしく整理します。「どこまでを事業者が用意してくれるか」をつかめば一気に区別できる、ITパスポートの頻出テーマです。
クラウドってさ、雲の上にデータが浮かんでるみたいなイメージなんだけど…実際は何なの?
ふふ、その絵、かわいいわね。
でも本当は雲じゃなくて、クラウドコンピューティング=『よそにある巨大なコンピュータを、ネット越しに借りて使う』ことなのよ。
あー、自分でパソコン買わなくても、借りればいいってこと?
レンタカーみたいじゃん。
まさにその発想です。
自社で機器を買って自前で運用する形をオンプレミスと呼びます。
クラウドはその対義語、と覚えておくと整理しやすいですね。
なるほどぉ。
じゃあクラウドって、ぜんぶ同じ一種類なんですかぁ?
いいえ、借りる範囲で3種類に分かれます。
IaaS・PaaS・SaaSの3つです。
アイアース?
パース?
サース?
…音が似てて、もう頭がこんがらがりますぅ
ふふ、大丈夫。
お料理でたとえるわね。
家でパスタを作るとき、IaaSは『キッチンとコンロだけ借りる』、PaaSは『材料も下ごしらえも済んでて、あとは炒めるだけ』、SaaSは『完成したパスタが出てくるレストラン』。
上にいくほど、あなたがやることは減るの。
マジか、わかりやすい。
SaaSは食べるだけじゃん。
あたしSaaS派だわ。
補足すると、その『やることが減る』の裏返しが大事です。
事業者の管理範囲が広がるほど、利用者が自由にいじれる範囲は狭くなります。
IaaSは自由度が高い代わりに手間も多い、SaaSは楽な代わりに細かいカスタマイズはしにくい、という関係ですね。
じゃあさ、普段使ってるGmailとかもクラウドなの?
はい、GmailやMicrosoft 365、SlackはSaaSの代表例です。
AWSのEC2のような仮想サーバはIaaS、アプリの開発・実行環境を提供するGoogle App EngineなどはPaaSにあたります。
わたし毎日クラウド使ってたんですねぇ。
気づいてなかったですぅ
そうなのよ。
次に『誰に向けて提供するか』の分類もあるわ。
パブリッククラウド・プライベートクラウド・ハイブリッドクラウドの3つを押さえておきましょう。
プライベートって…自分たち専用のクラウド、ってことですかぁ?
そうです。
情報を外に出しにくい金融や医療など、機密性や規制の厳しい業界でよく選ばれます。
普段は安いパブリックを使い、機密データだけプライベートに置く、という合わせ技がハイブリッドですね。
なるほどね。
で、クラウド使うと結局なにが嬉しいの?
いちばんはスケーラビリティ。
アクセスが急に増えたら増やし、落ち着いたら減らせるの。
あとは機器を買わずに済むから初期投資が小さい、運用や保守を任せられる、世界中どこからでも使える、といった利点があるわ。
いいことばっかじゃん。
逆に悪いとこはないの?
あります。
特定の事業者に依存して他へ移りにくくなるベンダロックイン、ネット障害で使えなくなる通信依存、データが海外に置かれて自国の法律が及びにくくなる『データ主権』の問題などが代表的です。
料金面も特徴的で、基本は従量課金です。
サーバの起動時間・データ転送量・ストレージ容量などで計算されます。
わぁ、電気代みたいに使った分だけ払うんですねぇ
そう、いいたとえ。
『IT資源を電気や水道のように使う』という発想そのものなの。
だからクラウドの考え方を『ユーティリティコンピューティング』と呼ぶこともあるのよ。
最近はサーバレスも広がっています。
AWS Lambdaが代表例で、コードを書くだけでよく、サーバの用意も増減も事業者が裏で面倒を見てくれます。
サーバ管理ナシってラクすぎ。
これってDXとも関係あるの?
大ありよ。
古いシステムを抱えたままだと変化に弱いでしょう?
クラウドへ移ってスピーディに作り変えられる土台をつくることが、DX推進の重要な一歩なの。
だからクラウドはDXの基盤技術と言われるのよ。
最後に整理ね。
クラウドは『ネット越しにIT資源を借りる』こと。
借りる範囲でIaaS→PaaS→SaaSと広がり、上にいくほど利用者の手間は減る。
誰に提供するかでパブリック・プライベート・ハイブリッド。
これだけ押さえれば本番でも迷わないわ。
確認クイズ
クラウドサービスのうち、仮想サーバ・ストレージ・ネットワークといった基盤(インフラ)だけを提供し、OSやアプリは利用者が用意する形態はどれか。
- IaaS
- PaaS
- SaaS
- オンプレミス
こたえを見る
正解: 1. IaaS
正解はIaaS(Infrastructure as a Service)。インフラのみを提供し、OSやアプリは利用者側が管理します。PaaSはOSや開発環境まで、SaaSは完成アプリまで提供します。オンプレミスはクラウドではなく、自社に機器を設置して自前で運用する従来型の形態なので誤りです。