ブラウザに「www.google.com」と打つだけでサイトが開くのはなぜ? その裏で働く2人の名脇役がDNSとDHCPです。名前をIPアドレスに翻訳するDNSと、機器にIPアドレスを自動で配るDHCP。仕組みと頻出の攻撃まで、会話で一気に押さえましょう。
ねえ先生、ブラウザに『www.google.com』って入れただけで、なんでちゃんとGoogleに繋がるの? あたしIPアドレスとか一個も知らないんだけど。
いい疑問ね。
実はコンピュータ同士は名前じゃなくてIPアドレスっていう数字の住所で通信しているの。
だから途中で『名前→住所』の翻訳が必要なのよ。
その翻訳を担当するのがDNS。
ドメイン名を入力すると、対応するIPアドレスを教えてくれるの。
なるほどぉ…電話帳みたいな感じですかぁ? 名前で引くと番号が出てくる…
ふふ、まさにそれ。
インターネットの電話帳ね。
名前を引くと番号(IPアドレス)が返ってくる。
この変換を『名前解決』って呼ぶのよ。
補足すると、DNSは世界中の1台で管理しているわけではなく、階層構造で分担しています。
ルートDNS→TLDサーバ→権威DNSサーバの順にたどって答えを見つけるんです。
TLDってなに? また略語じゃん。
TLDはドメインの一番右の部分です。
『google.com』なら『com』、『ipa.go.jp』なら『jp』。
住所でいう『国』みたいに、まず大きな区分から絞り込むイメージですね。
右から読んでいくんですねぇ。
なんだか逆さまで面白いですぅ。
そうそう、ドメインは右が大きい区分、左にいくほど細かくなるの。
それぞれのドメインにはDNSレコードという設定が登録されていて、用途ごとに種類が分かれているのよ。
主なレコードは5つです。
AレコードはIPv4アドレス、AAAAレコードはIPv6アドレス、MXレコードはメールサーバ、CNAMEレコードは別名、TXTレコードは認証用テキスト。
覚え方ないの? 5つもあると混ざるんだけど。
数字の『4』がヒントになります。
Aレコードは『4』のIPv4、AAAAは『A4つ』でIPv6、と紐づけると忘れにくいですよ。
MXはMail eXchange、つまりメール用です。
上手な覚え方ね。
さて、DNSが『名前を住所に翻訳する係』なら、もう一人の主役は『そもそも住所を配る係』。
それがDHCPよ。
うちのスマホ、Wi-Fiに繋ぐだけで勝手にネット使えますけど…あれってIPアドレス、誰が決めてるんですかぁ?
いい着眼点。
それを自動でやっているのがDHCP。
家庭ならルータがDHCPサーバになって、繋いだ端末に『IPアドレスはこれ、DNSサーバはここ、出口(ゲートウェイ)はここ』ってまとめて教えてくれるの。
マジか。
じゃあDHCPがなかったら、スマホ繋ぐたびに自分で番号入力すんの? だるすぎじゃん。
その通りで、台数が多いほど手作業は大変です。
だからDHCPで自動化します。
やり取りは4段階で、DISCOVER→OFFER→REQUEST→ACKと進みます。
頭文字をとって『DORA(ドラ)』と覚えます。
ドラ…探して(DISCOVER)、提案して(OFFER)、お願いして(REQUEST)、承認(ACK)…会話みたいで覚えやすいですぅ。
ふふ、いい整理ね。
便利な仕組みだけど、自動だからこそ悪用もされるの。
試験ではセキュリティの論点も狙われるわよ。
代表はDNSキャッシュポイズニング。
DNSにウソの対応表を覚えさせて、正しいアドレスを打ったのに偽サイトへ飛ばす攻撃よ。
DHCP側ではDHCPスプーフィングがあります。
偽のDHCPサーバを紛れ込ませ、わざと攻撃者の経由先を『出口』として配り、通信を盗み見るんです。
うわ、住所案内をハイジャックされる感じか…見た目は普通に繋がってるのがコワいね。
そうなの。
だから最後に整理しましょう。
DNSは『名前⇔IPアドレスの翻訳』、DHCPは『IPアドレス等の自動配布』。
役割が逆にならないようにね。
混同しやすいNATやARPとの違いも一緒に押さえておくと完璧よ。
確認クイズ
ドメイン名からIPアドレスを調べる仕組み(名前解決)はどれか。
- DHCP
- DNS
- NAT
- ARP
こたえを見る
正解: 2. DNS
正解はDNS(Domain Name System)。ドメイン名(例: google.com)をIPアドレスに変換する名前解決の仕組みです。DHCPはIPアドレス等を端末へ自動配布する仕組み、NATはプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する技術、ARPはIPアドレスからMACアドレスを求める仕組みで、いずれも役割が異なります。