スマホで動画を見る、メールを送る、Webページを開く——どれも裏側では決まった手順でデータがやり取りされています。その手順を役割ごとに段に分けて整理したのがOSI参照モデルとTCP/IPモデル。なぜ階層に分けるのか、TCPとUDPはどう使い分けるのか、カプセル化とは何か。会話でスッキリ整理します。
先生、ネットワークの章で『OSI参照モデル』ってのが出てきたんだけど、7つの層がどうとか…正直よく分かんないんだよね。
焦らなくて大丈夫よ。
まず大事なのは『なぜ層に分けるのか』なの。
OSI参照モデルは、通信の仕事を役割ごとに7つの段に分けて整理したものよ。
段に分ける…うーん、どうしてわざわざ分けるんですかぁ?
宅配便を思い浮かべてみて。
箱に詰める人、伝票を貼る人、トラックで運ぶ人、と役割が分かれているでしょう? トラックが故障しても箱詰めの手順は変えなくていい。
ネットワークも同じで、ある層を別の技術に取り替えても、他の層に影響が出ないようにできるのよ。
あー、Wi-Fiでも有線でも同じアプリが使えるのって、運ぶところだけ差し替えてるからなんだ。
マジか、そういうことか!
まさにそれが階層化の最大の利点です。
各層はプロトコルという決まりに従って動き、独立して交換できます。
OSIならその段が7つ——下から物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セッション・プレゼンテーション・アプリケーション層です。
7つも順番に覚えるの、大変そうですぅ…。
コツがあるのよ。
下が『線やケーブルに近い』物理側、上が『人やアプリに近い』側。
下から『物理・データリンク・ネットワーク…』と唱えて、下=物理・上=アプリ、とだけ押さえれば順番は迷わないわ。
そして実際のインターネットで使われているのは、もっとシンプルにまとめたTCP/IPモデルよ。
リンク層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層の4層なの。
えっ、7層じゃなくて4層なんですかぁ? どっちが本当なんですぅ?
両方とも正しいです。
OSIは『理解・教育のための理想の地図』、TCP/IPは『実際に動いている現実の道路』とイメージすると整理できます。
OSIの上3層(セッション・プレゼン・アプリ)が、TCP/IPではアプリケーション層にまとめられている、という対応ですね。
主要なプロトコルも、どの層の仕事かをセットで覚えましょう。
ネットワーク層が住所を担うIP、その上のトランスポート層がTCPとUDP、一番上のアプリケーション層がHTTP・SMTP・DNSなどよ。
TCPとUDP、名前が似ててどっちがどっちか分かんなくなるんだよね。
どう使い分けるの?
たとえるなら、TCPは『書留郵便』。
相手に届いたか確認して、抜けていたら送り直すから確実。
UDPは『はがきを連射』。
届いたか確認しないぶん速いけれど、たまに届かないこともあるの。
使い分けはこうです。
確実さが要る通信はTCP——Webページ閲覧(HTTP)、メール送信(SMTP)、ファイル転送など。
多少欠けても速さ優先の通信はUDP——動画・音声のライブ配信、オンライン通話、DNSの問い合わせなどですね。
あー、通話中に音が途切れても、止まって待たれるより流れ続けてくれた方がいいもんね。
だからUDPなのか。
マジか、納得。
その感覚、ばっちりよ。
最後にもう一つ、カプセル化という言葉を押さえましょう。
箱の中に箱を入れていくイメージなの。
あ、わかった! 送る側が下の層へ降りるたびに、宛先とかの紙(ヘッダ)を一枚ずつ貼って包んでいくってこと?
その通り! そして受け取る側は逆に、上の層へ上がるたび一枚ずつ包みを開けていく。
これを脱カプセル化と呼ぶわ。
対比で覚えると確実です。
送信側=カプセル化(ヘッダを付ける)、受信側=脱カプセル化(ヘッダを外す)。
包んで送り、開けて読む、の往復ですね。
ふふ、よくまとまったわね。
今日の要点はこの3つ。
OSIは7層・TCP/IPは4層という『地図』、TCPは確実でUDPは高速という『使い分け』、そして包んで送り開けて読む『カプセル化』。
ここを押さえれば、ネットワーク基礎の問題はぐっと解きやすくなるわよ。
確認クイズ
TCP/IPのトランスポート層に位置し、データの到達確認や順序保証によって信頼性の高い通信を提供するプロトコルはどれか。
- IP
- TCP
- UDP
- HTTP
こたえを見る
正解: 2. TCP
TCPはトランスポート層のプロトコルで、到達確認や再送・順序保証によって信頼性の高い通信を実現します。UDPも同じトランスポート層ですが、確認を行わずコネクションレスで高速な代わりに信頼性は保証しません。IPはその下のネットワーク層(インターネット層)で宛先への配送を担い、HTTPは最上位のアプリケーション層のプロトコルです。