写真・動画・音楽…身のまわりはマルチメディアであふれています。スマホで撮った写真がなぜあんなに小さなファイルで済むのか、MP3とMP4は何が違うのか。圧縮のしくみと代表的な規格、3DCGやVR/ARまでを、一気に整理しましょう。
ねえ先生、ずっと気になってたんだけど…MP3とMP4って、3が4になっただけじゃないの?
ふふ、いい質問ね。
名前は似ているけど中身は別物よ。
MP3は音だけ、MP4は映像も音もまとめて入る『箱』なの。
箱?
そう、コンテナ形式っていうのよ。
お弁当箱を想像して。
ごはん(映像)とおかず(音声)を一緒に詰める箱がMP4。
MP3はおにぎり一個だけ、って感じね。
じゃあ箱の中の『おかず』そのものは、また別の名前があるんですかぁ?
鋭いです、ほのかさん。
中身を詰めたり取り出したりする方式をコーデックと言います。
箱がコンテナ、詰め方がコーデック。
たとえばMP4という箱に、H.264という映像コーデックとAACという音声コーデックを入れる、という関係ですね。
マジか、箱と中身で名前が分かれてるんだ。
ややこしいけど納得した。
ところで…『圧縮』って、どうやってデータを小さくしてるんですかぁ? 魔法みたいですぅ。
そこが今日の山場よ。
圧縮には2種類あるの。
可逆圧縮と非可逆圧縮。
可逆は『畳んだ服を元どおり広げられる』イメージで、完全に復元できます。
ZIPやPNGがこちら。
非可逆は『出汁をとった後の昆布を捨てる』ようなもので、削った分は二度と戻りません。
JPEGやMP3がこちらです。
削っちゃって大丈夫なの? 音とか画像が変になりそうじゃん。
そこが賢いのよ。
人間の目や耳が気づきにくい部分を狙って削るの。
だから写真や音楽は非可逆でもほとんど劣化を感じない。
でも文章やプログラムは1文字でも消えたらアウトだから、必ず可逆を使うのよ。
目的によって使い分けるんですねぇ。
なんだか覚えやすいですぅ。
画像形式も整理しておきますね。
写真はJPEG(非可逆・フルカラー)、イラストや透過したい画像はPNG(可逆・透過)、短いアニメはGIF(可逆・最大256色)が定番です。
ロゴとかアイコンは? 拡大するとガビガビになるの嫌なんだよね。
それならSVGです。
JPEGやPNGは点の集まりで描くラスタ形式なので拡大すると粗くなりますが、SVGは図形を数式で持つベクタ形式なので、どれだけ拡大しても滑らかなんです。
なるほど、ロゴがいつもクッキリな理由はそれか!
使い分けの合言葉は『写真はJPEG、透過はPNG、ロゴはSVG、アニメはGIF』。
最近は高効率のWebPや、iPhoneでおなじみのHEIFも覚えておくと安心よ。
音のほうも、いろいろ種類があるんですかぁ?
はい。
非可逆ならMP3とAAC、可逆で音質を保ちたいならFLAC、無圧縮ならPCM(WAVの中身)です。
圧縮率が高いほどファイルは小さく、音質は下がる、という関係ですね。
動画のコーデックも世代で進化しているわ。
DVDや地デジのMPEG-2、定番のH.264、その後継で約半分の容量にできるH.265(HEVC)、さらに新しいAV1と続くの。
新しいほど、小さくキレイにできるってことだよね。
スポーツ動画も止まらず見られるわけだ。
補足すると、3DCGとVR/ARも試験範囲です。
立体の表面を三角形で表すポリゴン、そこに模様や質感を貼るテクスチャマッピング、最後に光や影を計算して2D画像に仕上げるレンダリング、という流れですね。
VRとARって、どっちがどっちか毎回こんがらがりますぅ…
こう覚えて。
VRは『まるごと別世界』、ARは『現実に重ねる』。
ポケモンGOで街にモンスターが出るのがARよ。
両方を融合させて現実と仮想を組み合わせるのがMR(複合現実)ね。
『Vはまるごと、Aはあわせる』で覚えた! これなら間違えないじゃん。
ふふ、その調子。
最後に整理すると、ポイントは『箱(コンテナ)と中身(コーデック)の区別』『可逆か非可逆か』『画像はラスタかベクタか』。
この3つの軸で見れば、用語がスッと頭に入るわよ。
確認クイズ
写真データを圧縮する際に一般的に用いられ、人間が気づきにくい情報を削って高い圧縮率を得る「非可逆圧縮」の画像形式はどれか。
- PNG
- BMP
- JPEG
- SVG
こたえを見る
正解: 3. JPEG
JPEGは写真向けの非可逆圧縮形式で、人間の目が気づきにくい色や明るさの情報を削って高圧縮を実現します。PNGは可逆圧縮(透過対応)、BMPは基本的に無圧縮、SVGは数式で図形を表すベクタ形式なので、いずれも非可逆圧縮ではありません。