「月980円のスマホ、つながらない日が続いたら困りますよね。じゃあ、どれくらいつながれば合格なの?」——その『約束のレベル』を文章にしたものがSLAです。クラウドや業務システムを契約するときの必須知識を、約束の決め方と守り方の両面から整理しましょう。
先生ぇ、SLAってなんだか難しそうな名前ですぅ…。
ふふ、名前ほど難しくないわよ。
お店で『ご注文から15分でお持ちします』って約束があると安心でしょう? あれのシステム版だと思えばいいの。
正確に言うとSLAは、サービス提供者と利用者の間で『どの程度の品質を提供するか』を合意した文書です。
ふーん、つまり契約書みたいなもんじゃん。
でもさ、『品質』ってどう書くわけ? 『がんばります』とか?
それじゃ約束にならないわよね。
だから数字で書くの。
例えば『可用性99.9%以上』『平均応答1秒以内』『障害は24時間以内に復旧』みたいにね。
その一つひとつの目標値をSLOと呼びます。
補足すると、SLOという数値目標を集めて一つの合意文書にまとめたものがSLA、という関係です。
あれぇ、SLAとSLOって別のものなのぉ? 同じだと思ってましたぁ。
あー、SLOが『1個ずつの目標』で、SLAが『それを束ねた約束ごと全部』ってことか。
マジでまぎらわしいな!
そう、よく気づいたわね。
さっき出てきた『可用性99.9%』、これがどれくらいか想像つく?
うーん…99.9%ってほぼ100%だから、ほとんど止まらない感じですかぁ?
イメージはそうですが、数字にすると意外と止まります。
年間でならすと、99.9%は約8.76時間、99.99%は約52分、99.999%は約5.26分の停止が許される計算です。
マジか! ナインが1個増えるだけで、停止OKな時間が10分の1になるじゃん。
9の数=きびしさ、で覚えとこ。
いい覚え方ね。
ここからが大事なところ。
SLAは『決めて終わり』じゃダメなの。
決めた約束をちゃんと守れているか、継続的に管理して改善する活動をSLMというのよ。
SLMの流れはPDCAそのものです。
SLA達成状況をログや監査で監視し、結果をレポートにまとめ、未達なら原因を分析して対策を打つ。
そして定期的なレビュー会議で見直します。
もし約束を守れなかったら…どうなっちゃうんですかぁ?
そのためにサービスクレジットという仕組みがあるの。
SLAを下回ったら、提供者がお詫びに料金を割り引いたり返金したりするのよ。
おっ、約束破ったら値引きしてくれるんだ。
ちょっと安心じゃん。
補足すると、クラウドのSLAも数値が公開されています。
各社の仮想サーバーは月間可用性99.9%〜99.99%程度を掲げ、未達分はサービスクレジットで補償する形が一般的です。
SLAって、お客さんとの約束だけなんですかぁ?
いい質問。
実はお客さん向けだけじゃないの。
社内チーム同士の約束をOLA、外部の委託先との契約をUCというのよ。
なるほど。
お客さんへの約束(SLA)を守るために、裏で社内(OLA)と外注先(UC)もちゃんと約束してる、って構造か。
そのとおりです。
SLAを頂点に、OLAとUCが土台で支える三層構造、と整理すると覚えやすいですね。
じゃあ最後にまとめるわね。
約束を文書にしたのがSLA、その中の数値目標がSLO、約束を守り続ける活動がSLM。
守れなかったらサービスクレジットで補償。
この4つの関係をセットで押さえれば完璧よ。
確認クイズ
サービス提供者と利用者が合意したサービス品質の水準を定めた文書はどれか。
- SLM
- SLA
- OLA
- サービスクレジット
こたえを見る
正解: 2. SLA
SLAは提供者と利用者で合意した品質水準の文書です。SLMはそのSLAを監視・改善する活動、OLAは社内チーム間の合意、サービスクレジットはSLA未達時の補償であり、いずれも文書名そのものではありません。