大きな作業を予定どおり終わらせるには、どの作業がどの順番で必要かを見える形にすることが大切です。その地図にあたる「アローダイアグラム」の読み方と、絶対に遅らせてはいけない道筋「クリティカルパス」の見つけ方を、身近な例から順に学びます。
先生ぇ、アローダイアグラムって矢印がいっぱいで、どう読めばいいのか迷っちゃいますぅ…
ふふ、最初はみんなそう感じるのよ。
アローダイアグラムは、料理の段取り表のようなものなの。
下ごしらえが終わってから炒める、みたいに『この作業が終わらないと次へ進めない』という順番を矢印でつないだ図よ。
段取り表か、それならイメージわくじゃん。
矢印と丸、それぞれ何を表してるの?
作業(アクティビティ)を矢印、結合点を○で表します。
補足すると、矢印の上に作業名、下に所要日数を書くのが基本ルールですね。
PERT図とも呼ばれるわ。
読み方の名前まで問われることがあるから、両方おさえておきましょうね。
○の中にも、何か数字を書くんですかぁ?
はい。
各結合点には最早結合点時刻と最遅結合点時刻を計算して書き込みます。
最早と最遅…言葉がかたい。
マジか、これ意味わかんなくなるやつだ。
あはは、大丈夫。
待ち合わせで考えてみて。
最早は『一番早く着けるなら何時に着く?』、最遅は『遅刻しないギリギリ何時に出ればいい?』。
それだけのことよ。
あ、それなら急にわかりますぅ。
早い方と、ギリギリの方なんですねぇ。
そして最早=最遅、つまり余裕がゼロの結合点だけを通る経路がクリティカルパスです。
日本語では限界経路ともいいます。
余裕ゼロってことは、そこサボったら即アウトな道ってこと?
そのとおり。
クリティカルパス上の作業が1日遅れると、プロジェクト全体も1日遅れてしまうの。
逆に、ここを短縮できれば全体も早まるのよ。
数字がないと、まだちょっとふわっとしてますぅ…具体例がほしいですぅ。
いいわよ。
最初に5日の作業Aと3日の作業Bが同時に進められて、両方終わってから10日の作業Cに入る、としましょう。
Aを通る道は 5+10=15日、Bを通る道は 3+10=13日。
じゃあ長い方の15日がクリティカルパスってことだよね!
Bの方は2日ヒマがあるってこと?
正解です。
そのBの2日の余裕をフロート(余裕日数)と呼びます。
クリティカルパス上はフロートが必ずゼロになる、と覚えると見分けやすいですよ。
フロートには2種類あるの。
後続も含めて全体に響かない範囲の余裕がトータルフロート、次の作業の最早開始に影響を与えない範囲の余裕がフリーフロートよ。
計算問題はちょっと苦手ですぅ…解ける気がしませんよぉ。
でもさ、やり方が毎回同じパターンなら、順番に埋めてくだけじゃん。
あたしでもいけそうな気がしてきた。
めいちゃんの言うとおりよ。
前から順に最早時刻を進め、最後まで行ったら今度は後ろから最遅時刻を埋める。
慌てず一方向ずつ進めれば必ず解けるわ。
関連手法としてCPMも押さえておきましょう。
PERTは作業時間を確率的に見積もる手法、CPMは時間とコストを決定的に扱う手法、という違いがあります。
まとめるわね。
アローダイアグラムは作業の段取り地図、最早と最遅で各結合点の時刻を求め、余裕ゼロの最長経路がクリティカルパス。
そして余裕日数がフロート。
ここを落ち着いて埋めれば、計算問題も怖くないわよ。
確認クイズ
アローダイアグラムにおいて、その経路上の作業が遅れるとプロジェクト全体の完了が遅れてしまう、最早結合点時刻と最遅結合点時刻が一致する最長経路を何と呼ぶか。
- ボトルネック
- クリティカルパス
- フリーフロート
- マイルストーン
こたえを見る
正解: 2. クリティカルパス
クリティカルパスは最早=最遅で余裕(フロート)がゼロの最長経路で、1日遅れると全体も1日遅れます。ボトルネックは処理能力の最も低い箇所を指す別概念、フリーフロートは余裕日数の一種、マイルストーンは進捗の節目であり経路ではありません。