プロジェクトの進捗とコストを、まとめて「お金」の物差しで管理する手法がEVMです。指標が多くて身構えがちですが、もとをたどればたった3つの値の足し算・引き算・割り算。試験では計算問題で頻出なので、仕組みごと押さえてしまいましょう。
さっきの話でEVMって出てきたけど、結局なんなの? 名前がもう強そうじゃん。
ふふ、強そうよね。
EVMは、進捗とコストを別々に見るんじゃなくて、両方をお金の単位にそろえて一緒に管理する手法よ。
進捗って…ふつう『何パーセント終わった』みたいに見ますよねぇ? それをお金にしちゃうんですかぁ?
そう、そこがEVMのコツなの。
『半分終わった』を『予算の半分ぶんの価値を作った』と読み替えるのよ。
そうすると進み具合とお金を同じ土俵で比べられるでしょ。
その土台になるのが3つの基本指標です。
PV、EV、AC。
補足すると、すべて金額で表すのがポイントです。
大丈夫、お買い物でたとえるわね。
100円ぶん買う予定で出かけるのがPV、実際にカゴに入れた商品の定価合計がEV、レジで払った金額がAC。
これだけよ。
あー、なるほど。
PVは『予定』、EVは『できた分の定価』、ACは『実際の支払い』ね。
でもさ、EVとACってどっちも『買った分』じゃん。
違いがいまいちピンとこないんだけど。
そこが一番のつまずきどころですね。
例を出します。
10万円で完成する予定の作業を、実際に完成させたけど12万円かかった場合。
EVは計画ベースの価値なので10万円、ACは実際の支払いなので12万円です。
あっ、わかった気がしますぅ。
EVは『できた仕事に値札を付けたら本来いくらか』、ACは『そのために財布から出たお金』なんですねぇ。
ほのか、その言い方すごく的確よ。
だから今の例だと、本来10万円の価値を作るのに12万円使った=2万円の使いすぎ、ってすぐ見えるでしょ。
その『使いすぎ』を式にしたのが差異の指標です。
CVとSV。
どちらも引き算で、結果がマイナスなら悪い状態です。
待って、SVってスケジュールなのに引き算の中身がお金(EVとPV)じゃん。
時間じゃなくていいの?
鋭いわね。
EVMでは遅れもお金の差で表すのよ。
予定どおり進んでいればEVはPVに追いつくはず。
EVがPVに届いていない=作るべき価値をまだ作れていない=遅れている、と読むの。
比率で見たいときは指数を使います。
CPIとSPI。
1以上なら良好、1未満なら悪化です。
数が多くて覚えにくいでしょう? コツは『どの式もEVから始まる、EVが分子』と覚えること。
差異はEVマイナス何か、指数はEV割る何か。
引く相手も割る相手も、コスト系ならAC(CV・CPI)、スケジュール系ならPV(SV・SPI)。
お金系=AC、時間系=PVね。
全部EVスタートか! それなら混乱しなさそう。
マジ助かる。
ふふ、その調子。
仕上げにグラフよ。
横軸に時間、縦軸にコストを取ってPV・EV・ACの3本の線を描くと、EVがPVより下なら遅れ、ACより下ならコスト超過。
形を見るだけで健全性が一目でわかるわ。
そして完成時の見通しです。
当初の総予算をBACと呼び、このペースでいくと最終的にいくらかかるかをEACで予測します。
式は EAC = BAC / CPI。
CPIが0.8みたいに1より小さいと、BACを0.8で割るから見積もりが膨らむんですねぇ…ちょっとこわいですぅ。
ふふ、でも早く気づけば手が打てる。
EVMの本当の値打ちは、傷が浅いうちに『このままだとまずい』と数字で言えること。
じゃあ整理しましょうか。
確認クイズ
EVMにおいて、EV=80、AC=100 のとき、コスト差異(CV)の値として正しいものはどれか。
- +20
- -20
- +100
- -100
こたえを見る
正解: 2. -20
CV = EV - AC = 80 - 100 = -20 です。CVはマイナスなので予算超過を表します。+20はAC-EVと引く順番を逆にした誤り、+100と-100はEVかACの一方だけを答えてしまった誤りです。