「期限が決まっていて、今まで誰もやったことのない仕事」――それがプロジェクトです。文化祭の実行委員も、新しいアプリの開発も、立派なプロジェクト。この記事では、プロジェクトを成功に導くための世界標準ガイドPMBOKを軸に、プロジェクトの定義・QCD・ステークホルダー・WBSまで、試験に出る形でまるごと整理します。
プロジェクトの特徴とPMBOK
そもそもPMってなんの略?
プロジェクトマネージャー?
マネジメント?
どっち?
ふふ、どっちもあるけれど、まずは『プロジェクトマネジメント』のほうから整理しましょうね。
出発点はプロジェクトが何かを押さえることよ。
プロジェクト…って、お仕事ぜんぶのことじゃないんですかぁ?
それがね、ちょっと違うのよ。
プロジェクトには2つの特徴があるの。
1つは『有期性』――始まりと終わりがハッキリ決まっていること。
もう1つは『独自性』――毎回ちょっとずつ中身が違って、同じものの繰り返しじゃないこと。
あ、それ文化祭の準備じゃん!
日にちは決まってるし、毎年やることもクラスも違うし。
いい例えです。
反対が定常業務ですね。
毎日のレジ打ちやサーバーの運用のように、終わりがなく同じ作業を繰り返すものは、プロジェクトとは呼びません。
なるほどぉ。
終わりがあって、毎回ちがう仕事がプロジェクト。
終わりがなくて、いつも同じ仕事が定常業務なんですねぇ。
その整理でバッチリよ。
そして、そのプロジェクトを計画どおりに成功へ導く活動がプロジェクトマネジメント。
世界中で使われている知識のまとめがPMBOKなの。
ピンボック…なんだか響きがかわいいですぅ。
読み方は『ピンボック』ですね。
補足すると、発行しているのは米国のPMIという団体で、PMBOKは特定の会社のルールではなく、世界共通の『お手本集』として広く使われています。
QCDの制約とトレードオフ
お手本集か。
で、その中身って何が書いてあるの?
プロジェクトを進めるうえで、絶対に避けて通れないのがQCDという3つの制約よ。
品質・コスト・納期。
この3つは仲が悪くてね、1つを良くしようとすると、別のどれかが犠牲になりやすいの。
あ〜わかる。
部活でさ、『安く』『早く』『良い』ユニフォーム全部はムリ、みたいな?
まさにそのトレードオフです。
『良いものを安く作ろう』とすれば時間がかかり、『早く安く』なら品質が落ちる。
だから現実にはトレードオフの中でバランスを取るんですね。
ここに『スコープ(作業範囲)』を加えてQCDSと呼ぶこともあります。
ステークホルダーの期待を調整する
ぜんぶ100点はムリだから、どこを優先するか先生が決めるんですねぇ。
そのとおり。
そして優先順位を決めるとき大事になるのがステークホルダーよ。
発注したお客さん、使う人、お金を出す経営層――みんな望むことがバラバラなの。
全員の言うこと聞いてたら、それこそQCD全部パンクしそうじゃん。
だからこそ調整役のPMが必要なんです。
誰が何を期待しているかを把握して、要望を整理し、優先順位をつける。
これがステークホルダーマネジメントですね。
WBSと日程管理
作業を進める手順も知っておきましょうね。
大きな目標をいきなりやろうとすると迷子になるから、まずWBSで仕事を細かく分解するの。
だぶりゅーびーえす…むずかしそうですぅ。
あたしのイメージだと、『大掃除』をいきなりやるんじゃなくて、『窓拭き』『床』『棚の整理』に分けるやつでしょ?
それなら超わかる!
ふふ、めいさん大正解。
大きな作業を小さな『これ以上分けなくていい』単位まで分けるのがWBS。
こうすると、誰が・いつ・どれくらいで終わるかが見積もりやすくなるのよ。
分解したあとは日程管理です。
各作業を線でつなぎ、最も時間のかかる経路――クリティカルパスを見つける手法もあります。
ここが遅れると全体が遅れる、いちばん気をつけるべき道筋ですね。
リレーで一番遅い人がチームのタイムを決めちゃう、みたいな感じか。
マジでそこ大事じゃん。
いい例えね。
最後に新しい話題も少しだけ。
最近のPMBOKは内容が大きく変わっていて、第7版からは固定の『手順』中心ではなく、変化に柔軟に対応するアジャイル的な考え方も取り込んだ『原則』中心の構成になっているのよ。
時代に合わせてお手本も変わっていくんですねぇ。
そういうことよ。
最後に整理するわね。
プロジェクトは『有期性+独自性』で定常業務とは別物。
PMBOKは世界標準のお手本集。
進めるうえではQCDの制約とステークホルダーの調整がカギで、WBSで作業を分解して管理する。
この骨組みを押さえれば、試験でもう迷わないわ。
確認クイズ
プロジェクトの説明として最も適切なものはどれか。
- 毎日同じ内容を繰り返す、終わりのない定常的な業務
- 始まりと終わりがあり(有期性)、毎回内容が異なる(独自性)業務
- 品質を最優先し、コストや納期を一切考慮しない業務
- 一人の担当者だけで完結し、関係者が存在しない業務
こたえを見る
正解: 2. 始まりと終わりがあり(有期性)、毎回内容が異なる(独自性)業務
正解は始まりと終わりがあり、毎回内容が異なる業務。プロジェクトは『有期性』と『独自性』の2つを併せ持ちます。終わりがなく同じことを繰り返すのは定常業務(運用)でプロジェクトではありません。品質だけを優先するのはQCDのトレードオフを無視しており不適切。また、プロジェクトには必ず発注者・利用者などのステークホルダーが関わるため、関係者がいないという説明も誤りです。