地震・水害・パンデミック・サイバー攻撃。もし会社が止まったら、どうやって大事な仕事を続けるか――それを前もって決めておくのがBCPです。計画を作って終わりにせず、回し続ける仕組みがBCM。RTO・RPOやホット/ウォーム/コールドサイトまで、会話でスッキリ整理しましょう。
BCPって聞いたことある!
地震対策のことだよね?
惜しい、半分正解よ。
BCPは地震だけじゃなくて、火災・水害・パンデミック・サイバー攻撃・大規模システム障害――どんな理由でも、通常業務が止まったときに重要な仕事を続けたり、早く立て直したりするための『計画』なの。
あー、災害だけじゃないんだ。
マジか。
補足すると、防災が『人命や建物を守る』のに対して、BCPは『事業を止めない・早く戻す』が目的です。
東日本大震災(2011)や新型コロナ(2020)をきっかけに、BCMとして経営レベルで重視されるようになりました。
あのぉ…BCPとBCMって、なにが違うんですかぁ?
いい質問ね。
BCPは『計画書そのもの』、BCMは『その計画を作って・運用して・訓練して・見直す、ぐるぐる回す活動全体』よ。
ふふ、ダイエットでいうと、献立表がBCPで、毎日続けて体重を見て調整する習慣がBCM、という感じね。
なるほどぉ…作って終わりじゃなくて、ずっと続けるんですねぇ。
じゃあ計画って、具体的に何を決めるの?
最初はBIAです。
どの業務が止まると一番ヤバいか、いつまでに復旧しないと困るかを洗い出して、守る業務に優先順位をつけます。
そして優先する業務ごとに、2つの目標を決めるの。
RTOとRPOよ。
うぅ…RTOとRPO、名前が似てて頭がこんがらがりますぅ。
ふふ、大丈夫。
RTOは『何時間以内に動かすか』という時間の目標。
RPOは『どの時点のデータまで戻すか』というデータの目標よ。
たとえばRTO=4時間・RPO=1時間なら、障害から4時間以内に復旧して、データは最大でも1時間前の状態まで戻せる、という意味ね。
なるほど、Tはタイム(時間)、Pはポイント(時点・データ)で覚えればいいじゃん!
その覚え方は便利ですね。
RPOが小さいほどデータの取り直し間隔を短く、たとえばバックアップを頻繁に取る必要があります。
逆にRTOが短いほど、すぐ切り替えられる予備の仕組みが要ります。
予備の仕組みって、どんなの?
代表的なのが復旧用の予備拠点です。
速い順にホットサイト、ウォームサイト、コールドサイト。
速いほどコストは高くなります。
ホットは『あったかい=すぐ使える』、コールドは『冷たい=用意に時間がかかる』ってイメージでいいんですかぁ?
まさにその通り。
温度のたとえがピッタリよ。
最近はクラウドを使って、複数の地域にデータを分散したり、自動で切り替えたりして、昔より安くBCPを実現できるようになったわ。
計画作ったら、あとは何かあったとき開けばOKでしょ?
そこが落とし穴です。
作っただけのBCPは、いざというとき使えません。
だから定期的な訓練と見直しが必須なんです。
机上で手順を確認する訓練から、実際に予備拠点へ切り替える本格訓練まで、段階的に繰り返す。
これがBCMの『回し続ける』部分ね。
最後に整理しましょう。
BCPは計画、BCMはそれを回す仕組み。
BIAで重要業務を選び、RTO(時間)とRPO(データ)を決め、ホット/ウォーム/コールドで備える。
訓練と見直しで実効性を保つ――この流れを押さえれば完璧よ。
確認クイズ
BCPにおいて、「障害発生から何時間以内にシステムを復旧させるか」という時間の目標を表す用語はどれか。
- RTO(目標復旧時間)
- RPO(目標復旧時点)
- MTBF(平均故障間隔)
- MTTR(平均修理時間)
こたえを見る
正解: 1. RTO(目標復旧時間)
正解はRTO。障害発生から復旧までにかける『時間』の目標です。RPOは『どの時点のデータまで戻すか』というデータの目標で、観点が異なります。MTBFは故障から次の故障までの平均間隔(信頼性の指標)、MTTRは修理にかかる平均時間で、いずれもBCPの復旧目標とは別の概念です。