企業はなぜ存在し、どんな目的で活動しているのでしょうか。経営理念から組織のかたち、社会的責任まで、ITパスポート試験で問われる「企業活動の基本」を会話でやさしく整理します。
そもそもさ、企業って何のためにあるの?
ぶっちゃけお金儲けじゃん?
ふふ、いちばん大事な問いから来たわね。
たしかに利益は欠かせないわ。
でもその前に、企業には「何のために存在するのか」という土台があるの。
それが経営理念よ。
けいえいりねん…ちょっと難しい言葉ですぅ。
お店でいうと何になるのぉ?
そうね、たとえばパン屋さんが「街の朝を笑顔にする」と決めていたら、それが経営理念。
お金の前に『どんな価値を届けたいか』を言葉にしたものなのよ。
補足すると、理念から段階的に降りていくと整理しやすいです。
普遍的な存在意義がミッション、目指す将来像がビジョン、日々の判断基準がバリューですね。
なるほど、理念がデカい看板で、その下に使命とか目標がぶら下がってる感じか。
そのイメージで合っています。
そして利益だけでなく社会への責任も果たすべきだ、という考え方も今は当たり前になっています。
社会への責任…って、寄付とかボランティアのことですかぁ?
それも一部ね。
企業が利益を追うだけでなく、環境や人権、地域社会にも配慮する責任をCSRと呼ぶの。
さらに環境・社会・企業統治を重視して投資先を選ぶ動きがESG、世界共通の目標がSDGsよ。
SDGsは学校でも習いましたぁ!
たしか17個のゴールがあるんですよねぇ?
そう、よく覚えているわね。
17のゴールと169のターゲットからなる、2030年までの国際目標よ。
じゃあ次は中身の話!
企業の中ってどうやって分かれてるの?
組織の形にはいくつか型があるの。
営業・製造・経理のように仕事の種類で分けるのが職能別組織、製品や地域ごとに独立採算で動かすのが事業部制組織よ。
対比で覚えると整理しやすいです。
職能別は専門性が高まる反面、全社的な利益責任があいまいになりがち。
事業部制は各事業部が利益責任を持って素早く動ける反面、部門間で人員や設備が重複しやすいです。
両方の良さを狙って縦横二軸で管理するのがマトリックス組織ですね。
二軸…って、上司が二人いるってことですかぁ?
ちょっと大変そうですぅ。
鋭いです。
まさにそこが弱点で、指揮命令系統が二系統になり、命令が食い違うと現場が混乱します。
なお一時的な課題のために部門を横断して人を集めるのが、プロジェクト組織です。
へぇ〜、組織の形も戦略次第なんだね。
あ、あと社長の下にCEOとかCFOとか並んでるやつ、あれ何?
マジでゴチャゴチャしてる。
ふふ、コツがあるのよ。
CEO、CFO、CIO、CTO。
先頭のCはChief(チーフ=最高責任者)、最後のOはOfficer。
真ん中の文字で担当が分かるの。
なるほど!
Cで挟まれてて、E=経営、F=財務(Finance)、I=情報(Information)、T=技術(Technology)。
真ん中だけ見ればいいんだ。
覚えやすいじゃん。
整理が見事です。
試験ではCIOとCTOの取り違えに注意ですね。
CIOは情報システムや情報戦略を統括、CTOは技術・研究開発を統括します。
ところで…経営者が好き勝手しないように見張る仕組みって、あるんですかぁ?
いい着眼点ね。
それがコーポレートガバナンスよ。
株主や社会に対して経営の健全さを保ち、説明責任を果たすための仕組みなの。
社内のルールを守る活動のコンプライアンスとセットで覚えるといいわ。
ガバナンスが『見張る仕組み』で、コンプライアンスが『ルールを守る』ってことね。
その通り。
最後に経営の進め方も触れておくわね。
計画して実行し、評価して改善する循環がPDCAサイクル。
観察から素早く動くのがOODAループよ。
対比で言うと、PDCAは計画起点で改善を回す手法、OODAは観察起点で変化の速い状況に即応する手法です。
PDCAは試験頻出なので順番を正確に。
まとめると、企業は『理念という土台』の上に『CSRなど社会への責任』を負い、『組織のかたち』で動き、『ガバナンス』で律しながら『PDCA』で改善していく。
この流れで押さえれば迷わないわ。
確認クイズ
営業部・製造部・経理部など、仕事の種類(機能)ごとに部門を分けた組織形態はどれか。
- 事業部制組織
- 職能別組織
- マトリックス組織
- プロジェクト組織
こたえを見る
正解: 2. 職能別組織
正解は職能別組織。営業・製造・経理などの職務機能ごとに部門を分け、専門性を高める形態です。事業部制組織は製品・地域別に独立採算で分ける形態、マトリックス組織は職能と事業など縦横二軸で管理する形態、プロジェクト組織は特定の課題のために部門横断で一時的に編成する形態で、いずれも分け方の軸が異なります。