会社が大きくなると、人をどう束ねて仕事を分担するかが大切になります。職能別・事業部制・マトリックスなど、代表的な組織形態にはそれぞれ得意・不得意があり、ITパスポートでは「特徴の対比」がそのまま出題されます。身近なたとえで違いをつかんでいきましょう。
せんせぇ、会社の組織って、社長がいて社員がいる…くらいしか思いつかないんですけどぉ。
いろんな形があるんですかぁ?
あるのよ。
会社って大きくなると、どうやって人を分けてチームを作るかが課題になるの。
その分け方のパターンに名前が付いている、と思えばいいわ。
ふむふむ。
分け方ってことは、部活でいう「サッカー部」「野球部」みたいな?
惜しいわね。
まず基本が職能別組織。
営業は営業、経理は経理、と同じ仕事の人を集めるの。
補足すると、同じ専門の人がまとまるので技術やノウハウが磨かれます。
多くの中小企業がこの形ですね。
じゃあ良いことばっかりじゃないですかぁ?
ふふ、そうもいかないの。
営業部と製造部が壁を作っちゃって、部門どうしの連携が取りにくいのが弱点よ。
「うちはうち、よそはよそ」になりがちなの。
その壁を越えるために生まれたのが事業部制組織です。
たとえば家電事業部、自動車事業部、のように分けます。
あ、それさっきあたしが言った「サッカー部・野球部」のノリじゃん!
事業部の中に営業も製造も全部入ってる感じ?
その通りです。
各事業部が自前で機能を持つので意思決定が速く、利益も事業部ごとに計算します。
これを独立採算といいます。
でもさ、事業部ごとに営業も経理もいるってことは、同じ役割の人がいっぱいダブるってことじゃん?
ムダ出ない?
鋭いわね。
まさにそこが弱点。
事業部ごとに人や設備がかぶるから、全社で見ると重複コストが増えてしまうの。
なるほどぉ…早さを取るとムダが出る、専門性を取ると連携が弱る。
どっちも一長一短なんですねぇ。
いい整理ね。
その両方のいいとこ取りを狙ったのがマトリックス組織よ。
縦に職能、横にプロジェクトや製品を置いて、格子状に管理します。
たとえば「経理部に所属しつつ、新商品プロジェクトにも参加」という形ですね。
待って、それって上司が2人いるってこと?
経理の部長とプロジェクトのリーダー、両方から指示来たらバグらない?
まさにそこが課題です。
指揮命令系統が二重になり、板挟みや混乱が起きやすいのが弱点とされています。
あと2つ押さえましょう。
プロジェクト組織は期限付きのチーム。
新システム導入などで組まれて、終わったら解散するの。
文化祭の実行委員みたいな感じですねぇ。
終わったらバラけちゃう…
うまいたとえね、その感覚で合っているわ。
もう1つがカンパニー制。
事業部制をさらに推し進めた形よ。
社内なのに会社ごっこ…じゃなくて、本気で独立採算ってこと?
マジか、自由度たかっ!
はい。
自分で資金や人事の権限を強く持つぶん、責任も重くなります。
「独立性: 職能別 < 事業部制 < カンパニー制」と覚えると順番で整理できますよ。
そして組織の頂点には経営を担う仕組みがあるの。
コーポレートガバナンスという言葉、聞いたことあるかしら?
コーポレート…なんだか難しそうですぅ。
大丈夫よ。
要は「経営者が暴走しないよう、チェック機能を効かせる仕組み」のこと。
たとえば会社の外部から招く社外取締役を置くのも、その一例なの。
補足すると、不正を防ぎ透明性を高める内部統制とセットでよく問われます。
経営者を監視する側に独立性を持たせるのがポイントです。
せんせぇ、組織がいっぱい出てきて、ほのか、頭がぽわ〜ってしてきましたぁ…
全部まる暗記しようとするからだよ!
特徴を二択の対比で覚えればいいじゃん。
「速さか、ムダの少なさか」みたいに!
めいちゃんの言う通り。
最後に整理しましょうね。
職能別は専門性、事業部制は機動性と独立採算、マトリックスは2軸で命令が複雑。
対比のものさしは『専門性 vs 機動性』と『中央集権 vs 分権』。
この2本で測れば、迷っても答えにたどり着けるわ。
確認クイズ
事業部制組織の特徴として最も適切なものはどれか。
- 機能別に分業するため専門性は高いが、部門間の連携が弱い
- 製品や地域ごとに独立採算で運営され、意思決定が速い反面、機能の重複コストが生じやすい
- 縦と横の2軸で管理し、1人の社員が複数の上司を持つ
- 特定の目的のために臨時編成され、目的達成後は解散する
こたえを見る
正解: 2. 製品や地域ごとに独立採算で運営され、意思決定が速い反面、機能の重複コストが生じやすい
事業部制組織は製品別・地域別に独立採算で運営する形で、意思決定が速い一方、各事業部が機能をかぶって持つため重複コストが発生します。選択肢1は職能別組織、3はマトリックス組織、4はプロジェクト組織の説明です。