経営組織の形態と特徴

職能別・事業部制・マトリックス・カンパニー制など主要な経営組織の特徴を、対比で覚えるコツとともに会話形式で解説。

編集・検証: ITパスポートスタディ編集部 公式情報: IPA ITパスポート試験公式ページ 制作・検証方針

会社が大きくなると、人をどう束ねて仕事を分担するかが大切になります。職能別・事業部制・マトリックスなど、代表的な組織形態にはそれぞれ得意・不得意があり、ITパスポートでは「特徴の対比」がそのまま出題されます。身近なたとえで違いをつかんでいきましょう。

小夜川 ほのか(普段) 小夜川 ほのか

せんせぇ、会社の組織って、社長がいて社員がいる…くらいしか思いつかないんですけどぉ。
いろんな形があるんですかぁ?

紫垣 こはる 先生(笑顔) 紫垣 こはる 先生

あるのよ。
会社って大きくなると、どうやって人を分けてチームを作るかが課題になるの。
その分け方のパターンに名前が付いている、と思えばいいわ。

星見 めい(普段) 星見 めい

ふむふむ。
分け方ってことは、部活でいう「サッカー部」「野球部」みたいな?

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

惜しいわね。
まず基本が職能別組織。
営業は営業、経理は経理、と同じ仕事の人を集めるの。

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

補足すると、同じ専門の人がまとまるので技術やノウハウが磨かれます。
多くの中小企業がこの形ですね。

小夜川 ほのか(笑顔) 小夜川 ほのか

じゃあ良いことばっかりじゃないですかぁ?

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

ふふ、そうもいかないの。
営業部と製造部が壁を作っちゃって、部門どうしの連携が取りにくいのが弱点よ。
「うちはうち、よそはよそ」になりがちなの。

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

その壁を越えるために生まれたのが事業部制組織です。
たとえば家電事業部、自動車事業部、のように分けます。

星見 めい(びっくり) 星見 めい

あ、それさっきあたしが言った「サッカー部・野球部」のノリじゃん!
事業部の中に営業も製造も全部入ってる感じ?

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

その通りです。
各事業部が自前で機能を持つので意思決定が速く、利益も事業部ごとに計算します。
これを独立採算といいます。

星見 めい(普段) 星見 めい

でもさ、事業部ごとに営業も経理もいるってことは、同じ役割の人がいっぱいダブるってことじゃん?
ムダ出ない?

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

鋭いわね。
まさにそこが弱点。
事業部ごとに人や設備がかぶるから、全社で見ると重複コストが増えてしまうの。

小夜川 ほのか(普段) 小夜川 ほのか

なるほどぉ…早さを取るとムダが出る、専門性を取ると連携が弱る。
どっちも一長一短なんですねぇ。

紫垣 こはる 先生(笑顔) 紫垣 こはる 先生

いい整理ね。
その両方のいいとこ取りを狙ったのがマトリックス組織よ。

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

縦に職能、横にプロジェクトや製品を置いて、格子状に管理します。
たとえば「経理部に所属しつつ、新商品プロジェクトにも参加」という形ですね。

星見 めい(びっくり) 星見 めい

待って、それって上司が2人いるってこと?
経理の部長とプロジェクトのリーダー、両方から指示来たらバグらない?

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

まさにそこが課題です。
指揮命令系統が二重になり、板挟みや混乱が起きやすいのが弱点とされています。

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

あと2つ押さえましょう。
プロジェクト組織は期限付きのチーム。
新システム導入などで組まれて、終わったら解散するの。

小夜川 ほのか(笑顔) 小夜川 ほのか

文化祭の実行委員みたいな感じですねぇ。
終わったらバラけちゃう…

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

うまいたとえね、その感覚で合っているわ。
もう1つがカンパニー制。
事業部制をさらに推し進めた形よ。

星見 めい(びっくり) 星見 めい

社内なのに会社ごっこ…じゃなくて、本気で独立採算ってこと?
マジか、自由度たかっ!

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

はい。
自分で資金や人事の権限を強く持つぶん、責任も重くなります。
「独立性: 職能別 < 事業部制 < カンパニー制」と覚えると順番で整理できますよ。

紫垣 こはる 先生(普段) 紫垣 こはる 先生

そして組織の頂点には経営を担う仕組みがあるの。
コーポレートガバナンスという言葉、聞いたことあるかしら?

小夜川 ほのか(しょんぼり) 小夜川 ほのか

コーポレート…なんだか難しそうですぅ。

紫垣 こはる 先生(笑顔) 紫垣 こはる 先生

大丈夫よ。
要は「経営者が暴走しないよう、チェック機能を効かせる仕組み」のこと。
たとえば会社の外部から招く社外取締役を置くのも、その一例なの。

蜂谷 まこと(普段) 蜂谷 まこと

補足すると、不正を防ぎ透明性を高める内部統制とセットでよく問われます。
経営者を監視する側に独立性を持たせるのがポイントです。

小夜川 ほのか(あせる) 小夜川 ほのか

せんせぇ、組織がいっぱい出てきて、ほのか、頭がぽわ〜ってしてきましたぁ…

星見 めい(笑顔) 星見 めい

全部まる暗記しようとするからだよ!
特徴を二択の対比で覚えればいいじゃん。
「速さか、ムダの少なさか」みたいに!

紫垣 こはる 先生(笑顔) 紫垣 こはる 先生

めいちゃんの言う通り。
最後に整理しましょうね。
職能別は専門性、事業部制は機動性と独立採算、マトリックスは2軸で命令が複雑。
対比のものさしは『専門性 vs 機動性』と『中央集権 vs 分権』。
この2本で測れば、迷っても答えにたどり着けるわ。

確認クイズ

事業部制組織の特徴として最も適切なものはどれか。

  1. 機能別に分業するため専門性は高いが、部門間の連携が弱い
  2. 製品や地域ごとに独立採算で運営され、意思決定が速い反面、機能の重複コストが生じやすい
  3. 縦と横の2軸で管理し、1人の社員が複数の上司を持つ
  4. 特定の目的のために臨時編成され、目的達成後は解散する
こたえを見る

正解: 2. 製品や地域ごとに独立採算で運営され、意思決定が速い反面、機能の重複コストが生じやすい

事業部制組織は製品別・地域別に独立採算で運営する形で、意思決定が速い一方、各事業部が機能をかぶって持つため重複コストが発生します。選択肢1は職能別組織、3はマトリックス組織、4はプロジェクト組織の説明です。

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