あなたの名前・住所・顔写真・病歴…こうした『あなたを表す情報』を、企業が勝手に集めたり売ったりしたら困りますよね。それを防ぐのが『個人情報保護法』です。何が個人情報にあたるのか、人に渡すときに同意がいるのはどんな場合か、そして特に厳重に守る『要配慮個人情報』とは何かを、会話で整理していきましょう。
個人情報って、要するに名前とか住所のことだよね?
ふふ、いいスタートね。
個人情報保護法での『個人情報』は、もう少し正確に言うと『生きている個人に関する情報で、特定の個人を見分けられるもの』なのよ。
亡くなった方や歴史上の人物は、この法律でいう個人情報ではないの。
名前だけで本人ってわかるとは限らなくない?
同姓同名とかいるじゃん。
鋭いです。
だから『他の情報と組み合わせて誰かを特定できるか』も判断のポイントになります。
氏名とメールアドレス、社員番号と顔写真などはまとめて個人情報。
試験ではこの識別可能性が事例でよく問われます。
補足すると、それ単体で本人を特定できる個人識別符号も個人情報で、2017年の改正で定義に追加されました。
マイナンバーも個人情報なんですねぇ。
なにか特別な扱いなんですかぁ?
いいところに気づいたわね。
マイナンバーは個人情報の中でも特別で、マイナンバー法(番号法)という別の法律でさらに厳しく守られているの。
使える場面も社会保障・税・災害対策の3分野にきっちり限られているのよ。
会社が社員のマイナンバーを好きな業務に使い回すのはダメってことか。
ところで先生、さっき出てた要配慮個人情報ってのが気になるんだけど、何がそんなに『配慮』なの?
知られると差別や偏見の原因になりかねない情報です。
具体的には、人種・信条(思想や宗教)・社会的身分・病歴・犯罪歴・犯罪被害歴など。
これらは普通の個人情報より一段強く保護されます。
病歴とか宗教とか…たしかに勝手に集められたら怖いですぅ。
普通の個人情報と、どこが違うんですかぁ?
一番の違いは『取得するとき』。
普通の個人情報は利用目的を伝えればよいけれど、要配慮個人情報は集める段階から原則として本人の事前同意が必要なの。
ハードルが一段高い、と覚えてね。
集めた情報を、よその会社に渡すときはどうなるの?
勝手に渡されたら嫌だな。
その『よそに渡す』ことを第三者提供というわ。
原則は本人の同意が必要よ。
ただし例外としてオプトアウトという『嫌なら言ってください、言わなければ渡します』の仕組みもあるの。
ただし大事な注意があって、要配慮個人情報にオプトアウトは使えません。
第三者に渡すには必ず本人の同意がいります。
つまり要配慮は『取得も第三者提供も同意がマスト』ですね。
要配慮個人情報は、集めるときも渡すときもちゃんと同意がいるんですねぇ。
覚えやすいですぅ。
渡し方の応用として、加工情報も押さえましょう。
仮名加工情報と匿名加工情報の2つです。
2つあるとややこしいな…マジでどう違うの?
対比で覚えると簡単です。
仮名加工情報は『社内でこっそりデータ分析に使う用』で原則外には出せません。
匿名加工情報は『誰だか分からなくして外にも出せる用』で、元に戻せないところまで加工してあります。
なるほどぉ。
仮名は身内向け、匿名はお外OK、ですねぇ。
その整理でばっちりよ。
こうしたルール全体を監督しているのが個人情報保護委員会という国の機関なの。
違反すると指導や命令を受け、悪質な場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。
会社(法人)にも重い罰金が科される両罰規定もあるわ。
会社ごと罰せられるのか…マジか。
ところでITパスだと、どんな感じで出題されるの?
事例形式が多いです。
『これは個人情報に該当するか』『第三者提供に同意は必要か』『要配慮個人情報はどれか』といった問いですね。
特に氏名のみか、氏名と他情報の組み合わせか、という識別可能性の判断が頻出です。
最後に整理しましょう。
個人情報は『生きている個人を特定できる情報』。
中でも要配慮個人情報(病歴・信条など)は、取得にも第三者提供にも本人同意がマストでオプトアウト不可。
渡す工夫が仮名加工(社内用)と匿名加工(外に出せる)。
監督役は個人情報保護委員会。
この骨格を押さえれば、もう迷わないわよ。
確認クイズ
個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当するものはどれか。
- 氏名と住所の組み合わせ
- 電話番号
- 病歴
- メールアドレス
こたえを見る
正解: 3. 病歴
病歴が要配慮個人情報に該当します。要配慮個人情報は人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪歴・犯罪被害歴など、差別や偏見の原因になりうる情報で、取得には本人の事前同意が必要、第三者提供にオプトアウトは使えません。氏名と住所・電話番号・メールアドレスは個人情報ではあっても、要配慮個人情報には当たりません。