毎日の仕事のムダを減らし、効率よく回す「業務プロセス改善」。よく似た略語が並ぶBPR・BPM・RPA・BPMNの違いと、知識を組織で活かすナレッジマネジメントまで、まとめて整理していくわ。
ねえ先生、業務改善ってさ、結局なにから始めればいいの? とりあえず気合いで頑張る、みたいな?
ふふ、気合いじゃ続かないわよ。
まずは今やっている仕事を見える化して、ムダや時間のかかっている所を洗い出すの。
そこから手を打つのが基本よ。
見える化って、なんだか難しそうですぅ……。
大丈夫。
たとえば『申請書がハンコ待ちで3日止まってる』って気づくのも立派な見える化なの。
詰まっている場所が分かれば、直し方も見えてくるでしょう?
その『どう直すか』の代表的な考え方が二つあります。
一つはBPR。
1990年代にハマー&チャンピーが提唱した、業務を根本から再設計する手法ですね。
もう一つがBPM。
こちらは一度きりではなく、回し続けて少しずつ良くしていく考え方です。
うーん……BPRは『一気にドカン』で、BPMは『コツコツ』って感じですかぁ?
とても上手なまとめね。
BPRは破壊と再構築、BPMは継続的な改善の枠組み。
BPMは計画→実行→評価→改善のPDCAをぐるぐる回し続けるイメージよ。
なるほどね。
『BPRは Re-engineering=作り直し、BPMは Management=回し続ける』で覚えとこ。
Mがマネジメントで管理だもんね。
良い覚え方です。
補足すると、その業務フローを図で正確に描くための標準記法もあって、それが次の話題のBPMNです。
そう。
BPMNは、開始・終了・タスク・分岐(ゲートウェイ)といった決まった図形で業務の流れを描く世界共通のルールなの。
名前が似ていて、BPMとBPMN、こんがらがりますぅ……。
区別のコツは、末尾のNです。
N=Notation(記法・書き方)。
つまりBPMNは『BPMで使う図の描き方』。
BPMが活動そのもので、BPMNはその設計図の言語、と分けると整理できますよ。
はいはい、で、最近めっちゃ聞くRPAは? あれもこの仲間でしょ?
そうよ。
RPAはPC上のくり返し作業を、ソフトウェアのロボットに代わりにやってもらう技術。
たとえばExcelの数字を別の画面に転記したり、届いたメールを仕分けしたり、ね。
代表的なツールはUiPath、WinActor、Power Automateあたりです。
人がマウスやキーボードで行う操作を記録して、その通りに自動で動かすイメージですね。
マジか、それ部活の名簿入力もやってほしいんだけど! でもさ、ロボットって言っても人型のやつが座って打つわけじゃないんだよね?
ふふ、そう。
実体はソフトウェアよ。
そしてRPAは賢さで3段階に分かれているの。
クラスIが定型業務の自動化、クラスIIはAIと組み合わせて非定型業務まで対応、クラスIIIは自分で判断して動く自律化、という発展段階ね。
数字が上がるほど、お利口さんになっていくんですねぇ!
話変わるけど、ナレッジマネジメントってのも改善の話で出てきたよ。
あれは何?
ベテランさんの頭の中にあるコツや勘を、組織みんなで使えるようにする取り組みよ。
一人が辞めたら終わり、を防ぐの。
鍵になるのが二つの知識です。
経験から得た言葉にしにくい暗黙知と、マニュアルのように文書化された形式知。
この変換を回すのが、野中郁次郎のSECIモデルです。
セキ……? 順番が覚えられそうにないですぅ。
共同化→表出化→連結化→内面化の4段階で、頭文字がS・E・C・Iです。
暗黙知を皆で共有(共同化)、言葉にして(表出化)、組み合わせて(連結化)、また体で覚える(内面化)、と一周します。
最後に整理しましょうね。
BPRは抜本改革、BPMは継続改善、BPMNはその図の書き方、RPAは定型業務の自動化。
そしてナレッジマネジメントは知識の共有。
略語が似ていても、役割で分ければ怖くないわよ。
確認クイズ
PC上で人間が行う定型業務を、ソフトウェアのロボットに代行させて自動化する技術はどれか。
- BPR
- BPM
- RPA
- BPMN
こたえを見る
正解: 3. RPA
正解はRPA(Robotic Process Automation)。Excelの転記やメール処理など、PC上の定型作業をソフトウェアロボットに代行させる技術です。BPRは業務を抜本的に作り直す再設計、BPMは継続的に改善する管理手法、BPMNは業務フローを描くための標準の図記法であり、いずれも自動化技術そのものではありません。